今日の「なましば会」

北海道は幌加内町からR275を北へもう少し、10km程走った所にある道の駅「森と湖の里ほろかない」。その敷地内に建っているのが「せいわ温泉ルオント」。
俺の住んでいる士別から30kmくらい。近すぎて拍子抜け。そんな近かったっけ??いや、でも40分くらいだったし・・

そこで今日は何をするかというと「なましば会」。

詳しい事は「なましば会」のサイトを見ていただくとして、簡単に言えばかまくらを掘ったりイグルーを建てたりテントを張ったりして、冬の一夜を過ごしてみようというイベント。耐えられなくなったら温泉に逃げ込めるので自分のアウトドア装備がどの寒さまで通じるかを楽しく安全に検討することもできる貴重なシミュレーションの場。



は?北海道なら今時分は家の前でできるだろって?無理無理。子供がいるンでも無い限り、いい大人が庭や公園でそんなことしたら近所で「あいつばかだばかだどっかおかしい」とささやかれるに違いないんである。かと言って人里離れた山奥でいきなり本番はきつすぎる。ワンクッション欲しい。だから、遊びでお気楽にできるこういう機会はかなりありがたい。



受付を済ますともらえるのがなましば村住民票。会期中はこれを持っていれば温泉が無料。さらに1年間入浴料が2割引♪
さて、始めるか。



後から2人来るんだが何しろ札幌から「バイク」なので穴掘り要員としてはあまり期待しない。俺はかまくらを作って泊まるのが目的だが、彼らはバイクで来る事が目的の大半。どっちもけっこうバカだ。

ところで、さっきから「かまくら」「かまくら」言ってるが本場風のかまくらは、ここでは水を撒いて雪を湿らせないと作れっこない。だもんであらかじめ重機で押し固めた雪山の横腹を掘って住居空間を作る事を言ってます。



道具で用意したのは・・・
剣先スコップ 角スコップ 雪スコップ 園芸シャベル
雪はねスコップ
雪やすり ママダンプ







雪が思いの外硬くて、掘削作業は99%剣先。角スコは面を整えたり角を決めたりするのに使ったのみ。排雪作業ではママダンプ、雪はねスコップが活躍。雪スコの出番はほとんどなし。雪やすりは薄い板に木ビスを貫通させて取っ手をつけたもので、面を整えるのに使用。



作業のいでたちは、大量の汗をかくと分かっているので

  1. PPアンダー上下
  2. ツーリングジャージ上
  3. ゴアテックスエンデューロパンツ
  4. ウィンドブレーカ
  5. 安全靴(ロング)
  6. バンダナ

と薄着。失敗したのは安全靴。2時間経った頃から水が滲みてきて5時間後は作業していても冷たくてどうにもならない状態に。軽いから動き回るのは楽だったんだけどなあ・・。衣類は上下とも雪で水浸し。この日はとても暖かかったが寒い日は凍りつくので、作業後の着替えが無いと地獄を見る。俺?普段から雪降ろしをやっている俺がそういう事で抜かるわけないベ。替えの長靴も当然用意♪



手袋はこれ。高級作業手袋「GRIP」冬用

暖かいうえに蒸れないし、ぴったりのサイズを選べば、力が無駄無く道具に伝わるのでとても気に入っている。化学繊維なので氷点下で濡れてもあまり冷たくならないのもいい点。
ラフイメージ。

大人はやみくもに掘る事はしない。掘り進めてゆくうちに「ダメ」と気づいた時の次善策もこうしてスケッチしながら前もってちゃんと立てておく。(う〜ん!おとなだ♪)



ていうかそこが楽しいんであって、現場は構築したイメージにひたすら接近する体力作業。
作り始めたら汗が噴き出す。が、休むと途端に冷えるので5分と休まず、ほとんどマラソン状態。ウィダーinゼリーとかチョコレートをアクエリアスで流し込みながらとにかく終わるまで休まない。内部が一通りでき上がるまでの3時間ノンストップ♪
バイクの二人が昼頃到着。

DR650とカブ♪もちろんどちらもスパイクタイヤ装着。



・・・・・

どうして俺のバイクがここにないんだろう?
食事をして一息ついた二人が準備を終えた所で記念撮影。セットして俺も入ろうとしたらタイマーが時間切れ。


あ・・・


続く。


今日の「なましば会」夕方編

「表はこんな感じに・・・」とおおまかに説明するだけで、てきぱきやってくれる仕事人氏とM氏。
「できた♪」

作業を始めてからここまで5時間。今度は上手く撮影。入り口のモナー顏は2ちゃんねる好きの仕事人さんの趣味。
天井や壁面はもっときれいに仕上げたかったが、5時間ぶっ通しではさすがにグロッキー。そろそろ晩飯の準備もしないといけないしで切り上げる。



壁面に置くロウソクは仏壇から持ってきたもので、着火した途端にかまくらの中が「納骨堂」に・・・・(汗

ロウソクも種類を選ばないとだめでんな・・・・


会場の様子。

ストーブつきのロッジもあり。食事に関してもレストランがあるので少々の夜食を用意するだけでで済ませる事が可能。
バイクも続々集結。

どうして俺のバイクがここにないんだろうか?来年はアフリカツインにスパイクを履かせようか?



16:30「なましば村」開村式。記念撮影。

おだつ仕事人氏とM氏(本当は会場カメラマンに指示されたので)
日が暮れた。

露出やシャッタースピードを設定できるデジカメでもこんな色を出せる撮影時間帯は極めて狭い。現場で左のように見える時間帯では撮影には遅すぎて黒くなってしまう。


まだ続く


今日の「なましば会」完結編











次回はもう少し照明(ろうそく)の位置に気を配ろう。数も足りない。
外から見えるこの室内の明かりが気に入っている部分♪周囲が暗くなってようやく効果を出してきた。
18:00居酒屋「なましば」開店

幌加内だけあってそばの美味さは超絶品。
たき火も燃え出す。



今日は星空が見えている割に冷え込んでこない。
ベッドにこだわったのは欲張ったのではなく、冷気と一酸化炭素中毒対策。地面と同じ高さというのは冷気がきつすぎるんである。一酸化炭素も下に溜まるからそれを避けるために。



プラス腰下、ひざ下の作業量軽減。とはいえこのベッドは高すぎた。腰掛けて足がぶらぶらするようだと疲れてくつろげない。
気がつくと室内ロウソクの上が凄い事に♪



腕1本ズッポリ入りそうな感じに深く溶けている。
そろそろ寝ます。

今回、入り口を開けて炭火をつけたまま寝たけど、炭が燃える時のあの独特の匂いが鼻につくと言うか、体内の危険センサーに引っ掛かるというかそんな感じで、あまり熟睡できなかった。
注意!!

入り口が開いているからこれでもあまり問題ないのであって、この状態でたとえ布であっても入り口を塞ぐと危険です。実際、二日酔いか軽い一酸化炭素中毒なのかは知らないが翌日は少し頭が痛かったです。


この広さで3人が寝るのなら、火は外に出して入り口を板で塞いだ方がよく眠れたかも?ちなみに就寝時の装備は・・

  1. PPアンダー上下。下は厚手のもの
  2. ゴアテックスウィンドストッパー綿入り上
  3. オーバーパンツ(綿入り)
  4. 厚手の靴下
  5. 使い捨てカイロ(5個・・・・・!!寒がり。)
  6. シュラフ(モンベル・スーパーストレッチALPINE#2)
  7. ゴアテックスシュラフカバー



夜中、さすがに暑くなって靴下とオーバーパンツは脱ぐ。失敗したのはシュラフカバー。使っていたのはどちらかと言うと夏用シュラフのためのものなので伸縮せず、横を向くと上になった肩や腰の部分が強く張るためにシュラフがつぶれ、そこだけが冷たくて他は暑いと言う状態に。シュラフカバーもストレッチタイプにしないとせっかくのスーパーストレッチが性能を発揮できない。



ところでM氏、本当は雪室で寝るつもりはさらさら無く、最初から温泉の施設で寝るつもりでシュラフも持ってこなかったのだが、暖かい日だったので一緒に寝る事に。しかしジャケットやオーバーパンツだけでは寒すぎるのでバイクカバーを引っかぶることで対処。結局最後まで寝たようだけど翌日バイクで札幌まで帰る事を考えれば、俺ならやらないなー。寒いと眠りが浅くなって次の日がつらいのだ。

翌朝、参加者がだいたい朝食を終えた所で閉村式始まる。
呼ばれてびっくり。参加者投票で「自分が住んでみたい雪の住居」一番に!賞状とそばをいただく。



そりゃ作っている間、冗談で「賞ねらいでいくかんな」とは言っていたけどホントにいただけるとはおもわなんだ。きっとロウソクを使って暖かく見せたのが勝因だ?。
こちら、遅くに着いて暗い中、掘削作業をしていたのがみんなの涙を誘ったのか、「もっとも寒そうな住居」に選ばれた人たち。
じゃんけん大会で幌加内製「木のトイレットペーパーホルダー」プレゼント。これはもらい損ねる。俺はじゃんけんが弱い。
いただいた表彰状と、それから耐寒証明書。マイナス8℃じゃなー。せめてマイナス20℃でないと自慢にならない。来年もっかいやるか・・?
それでは、お会いした皆様お疲れさまでした。またどこかで♪