キャンプ場が嫌いなのは・・・・ いくつか理由があって、とりわけ「子供」「花火」「宴会」。頷く人も多いと思う。「キャンプが旅の手段でしかない人」と「そこ(キャンプ場)で遊ぶのが目的の人」との温度差はとても大きい。俺の場合、それにもう一つ加わる。それは・・・・・・ 「誰も居ない雨の日のキャンプ場」 これがだめだ。 その年は梅雨明け宣言が無いまま夏休みがきた。 関東から東北圏まで太平洋側は延々と雨。そんな中、実家のある北海道まで帰る旅の途中の事。 とある、小さなダムの側にあるキャンプ場で泊まる事に決めて行ってみたら、その日は俺一人。一人なのを良い事に、屋根のある炊事場の中にテントを張ったまではいいが、炊事場のみ、電灯すらないいわゆる昔のキャンプ場・・・ 日が暮れるにつれて濃い霧が立ちこめてきて、聞こえてくるのは風と雨の音のみ・・・・炊事場の「流し」にはまだ食えそうな新鮮なキャベツの芯やニンジンのきれっぱしがヘッドランプに浮かび上がり「まるで俺が来る直前まで人がいたのに、突然消えてしまったかのような・・・・」と考えたりして、そうなるともうだめ。 テントに入っても雨音に混じって炊事場のそばを誰かがタッタッタッタッと走って行く音が聞こえるような気がしたり、(それも俺が気がつくまで何度も行ったり来たりしていたような気までしたりして・・・聞こえたとは言っていないです。)身じろぎした拍子にポケットラジオのスイッチが動いて「うははははっ!」なんて笑い声が流れ、死ぬほどびっくりしてシュラフごと10センチくらい飛び上がったりと、何でもかんでも恐い方に受け取って一人で悶絶するのだ。 そこいらへんがひどく嫌でね(要するに恐がり、小心者)、「ついさっきまで人がいたような気配がのこっている誰も居ないキャンプ場」に一人でいるくらいだったら林道の奥を選びたいです。 ところで、この話も「いらんおまけ」がついている。 黒いゴムガッパを着た「いかにも見回りに来たダム関係者風の男」が支えてくれていて これも後で思い出すとよくわからない。 「彼はどこから来たのか?」 話しもしたし、まるっきり生きた人間のはずだったんだけどねえ・・・・ |