今日の雪道の走り方


一番怖いのが冬の始まりと終わりにありがちな湿って重たい雪が大量に降った日。
除雪車の準備が整っていないとか、もう片づけたとか、予算が底をついて出動できないとかで道路の除雪がされないと、こんなふうにレール状のわだちができる。こんな時は持っている神経を総動員させて運転しなければならない。

↑の画像では初雪なのにあろうことか一晩で30センチくらい降った日。
恐ろしくて40km/h以上出せない。わだちをトレースする限り60km/hくらいは出せるのだけど、そのスピードでわずかでもレールをずれると回転するタイヤは抵抗のあるほうへぐいっと引っ張られ、車体は横を向きだす。
横を向いた車は深い雪の上で「浮いた」状態になるので、横を向いたまま、もともとの進行方向へ滑りながらも、タイヤは回転しているものだからじわじわとタイヤが向いている方向へ進もうとするわけだ。すなわち道路の外へ出ていこうとする(笑
それを何とかしようと急いで反対方向へハンドルを切ると、いったん態勢を立て直したかに思えた車体は、今度は反対側へスピンをはじめる、それを何とかしようとまた慌てて反対にハンドルを切るも、またそっちへスピンをはじめ、いつ終わるともしれない無間地獄を体験する。(体験した人=俺)


これはそんなふうに路上で「踊って」運良く助かった例。
あと10センチで用水路へ転落という、すんでのところを助かっている。

こちらは…
推測だけど路上の痕跡から察するに、スピンして反対車線に出てきた対向車をよけて用水路に落っこちたと思われる非常に運が悪い例。(乗っていた人はすでに病院へ運ばれたのか、無人状態のところを通りかかった)この初雪の日だけで農協のメカニックセンターには10台ほど壊れた車が持ち込まれたそうな…

季節が進んで除雪車が常時出動するようになると出現するのが平坦なアイスバーンアスファルトに比べると路面ミューは圧倒的に低いものの、平らでほぼ一定の滑り具合なので、滑る分を含んだ運転が非常にやりやすく、よほどのスピードを出していてもコーナー手前の減速をしっかりやれば怖い事は何もない。(もちろん街中は状況に見合ったスピードで)

慣れてくると停止状態でハンドルを目一杯切り、アクセルを一気に踏み込んでくるっと向きを変える事も簡単にできてしまう。バーンの上だとタイヤも全然減らないからもったいなくないし。

さらに厳冬期、気温が低いだけで雪があまり降らない日が続くと再び路面が出てくる。こうなると普通の道路と変わらないがスタッドレスタイヤは減りが早くなる。
ところでスタッドレスタイヤだけど、新品の1シーズン目は、どんな路面を走っても怖いと感じない。それくらいよく止まる。それが2シーズン目になると、自覚していなくても慎重に走るようになる。
3シーズン目は、信号待ちの後、無造作にアクセルを開けると空回りして進まなくなるので、AT車特有のクリープ現象にじんわりとアクセル乗せるような感じで慎重に開けるようになる。北海道の人たちはだいたい3シーズン使用したら夏タイヤとして履きつぶしてしまうが、さらに使用すると…
4シーズン目は交差点がバカみたいなミラーバーンになっている旭川や札幌には行かなくなる。都市部の交差点は交通量が多い上に予算の関係で砂がまかれないところも多く、恐ろしく滑るのだ。冬の道路事情に関して言えば、田舎の方がどの交差点にも毎朝砂をまいたり、歩道も専用の除雪車で除雪したりで人にも車にもやさしい。
5シーズン目は峠の下りで恐ろしい思いをする(した人=俺)ので裏道を避け、国道以外走らなくなる。
6シーズン目は雪が積もり始めた時点で「さすがにこれはもうダメ」と諦めて(諦めた人=俺)タイヤショップへ…

一方この時期、高速道路はどんな按配かというと…
こんな感じ

追い越し車線がくせ者。「雪の深さと進入スピードによっては下手な入り方をするとスピンする」と、みんな知っているので、追い越し車線に走った跡が1本もない時は、遅い車が前を走っていても誰も追い越さない(笑

雪道について書き出したらきりがないからこの辺にしとこう。
そんな季節を経て春を迎えるので道北のドライバーは、毎年毎年春になると普通にアクセルを踏み込めば車が走りだし、普通にブレーキペダルを踏めば車が止まるという事がとてもありがたく新鮮に感じる次第。

やれやれだ。