今日の道北


26時
ひっそりと派手に氷と光のイリュージョン。

これはライトピラーといって、割と知られているサンピラー現象の夜版。空気中の水蒸気が凍って細かな氷になって漂い、街灯の光を反射する事で天空へ伸びる棒状の光が出現するというもの。気象条件として「水蒸気が凍るくらい気温が低い」「風が弱い」があげられる。冬の道北ではしょっちゅうそんな日がある割には全然見る事が無く、出現の条件に疑問があったのだけど、今回その「出る条件」が何となく判明。

  • この地では普通に気温が低くて水蒸気が凍るだけでは、反射する氷がたぶん足りない。(乾燥してるから?)
  • それプラス夏で言うところの「霧雨」レベルの氷が街全体を覆っている事が必要らしい。
  • 氷の量が多くても見えなくなる。(乱反射が強くなって上空全体がぼんやり明るくなる)

26時半くらいから徐々に降ってくる氷が増えて、見えなくなった事から推測。
加えて光源にも条件があって…下しか照らさないようにしている街灯では「出ない」

  • 工場に無造作に設置された屋外防犯灯のようにむき出しの電球
  • ガス灯風にデザインされて、電球がある程度上方向からも見えるような街灯

で、「出る」模様。
写真はその「ガス灯風」の街灯が並んでいる通りに出現したもの。右がナトリウム灯。左が水銀灯。
…てことは街の街灯を全部そういうものに換えると街全体に光の柱が出現するようになって「ライトピラーの街・士別」とか宣伝ができるようになるかもなー。

部屋の明かりを消して、今まさに寝ようとしたところでふと窓の外を見たら出現していたので、撮影に出ようか、部屋から見るだけにして寝てしまおうか悩んで、気持的にはどっちかというと「ま、いっかー♪寝てしまおう。」に傾いていたんだけど「この時間帯にこんな小さな街で、いまライトピラーが出ている事に気がついていて、そのうえで人に紹介できる程度の写真を撮れる人となるとだいぶ限られる」と思い直し、あわてて厚着をして撮影に。なんせ寒いしね。