2・3日目

8月5日6日を利尻岳登山に費やす。5日のやや遅い時間に登山を開始し、ひとまず登頂。朝夕の風景狙いで長官山避難小屋に泊り、6日朝再び山頂まで。
しかし
「この2日間に限り天気が良くない」という巡り合わせに泣くことになる。

でもまあ、まるっきり視界不良というわけでもなく、こうした風景が見られたからよしとしとこう。下界は沓形、大磯方向。晴れていれば右手辺りに礼文島が見えるはず…

下から見上げる山頂は終始こんな感じ。

9合目付近、適当なところで振り返ると、左手に泊めさせてもらった避難小屋。その奥が長官山山頂。
山歩きで好きなのは、こんなふうに尾根筋の登山道が見えたり、はるか向こう側に麓の町が見えたりする時。利尻岳は8合目あたりまでは途中にある2ヶ所の展望台以外での見晴らしがなく、風が通らない森の中、険しい登山道を黙々と歩く。

さてこの山は9合目から本番。*1矢印の下、くっきりと谷間が見える。
なにかな?と思いながら登っていくとどんどん近づいてくる。そうしてルート上、深いかかわりがあるらしいとわかってくる。

沓形分岐というもう一つの登山ルートとの分岐点で、この谷間の直下となる。
谷間までがザレザレの急斜面で大変登りづらい。

スリット状の谷間に到達。そうしてなぜこんな地形なのかを理解してびっくりする。下調べしてわかっていても実際に見るとびっくりする。両壁面の高さは3〜5メートル。

壁を見ればわかる通り、ここは「火山の噴出物がただ堆積しただけ」の場所で、ひっかけばぐずぐずと崩れる。登る時は踏みしめながら登るにしても、降りる時は砂や雪の斜面を降りる時のようにある程度ザリザリと滑りながら、斜面をひっかいて降りることになるので、登山者のせいでどんどん浸食が進み谷が深くなって行く、問題の大きい場所なのだ。もちろん無策でいるわけもなく、耐候性のある物を使い景観を損ねないようにしながら防崩対策を進めている。

そんなこんなで山頂。山頂の利尻山神社で登山の無事を願ってお参り。

*1:案内板にも「ここからが正念場」と書いてある。事実9合目は登るのも降りるのも大変