今日の雪まつり4


なにしろ道北だから、よほど気温が高くない限りこの時期に降る雪はパサパサに乾いたパウダースノーで、体に積もっても濡れない。雪が降ったところでかまわずプログラムは続くし、客もいなくならない。

日が暮れると、国際雪像選手権のために世界各国から集まった雪像彫刻家たちの作品が存在の主張を始める。
これは韓国の作品。

「雪が降る土地のお祭りはこんなにきれいなんだよ」とここ以外のどこかに住んでいる人に伝えたい人間としては、雪や氷に光をプラスしたものを撮る場合は、日没から完全に暗くなるまでのおよそ30分間をおいて他に無く、そのためには日没までには灯がついていなければならず、ロウソクなら火がつけ終わっていなければならない。
しかしカメラでこの↑ように写る時間帯というのは、実際にそこにいるともっともっと明るくて、人間の目だと雪像やキャンドルはようやく明りが当てられていることに気付くくらいのぼんやりとした状態。
当然、明りで照している必然性があまり感じられない。キャンドルのイベントを主催する立場の人にこの話を振ってみたところ「明るい時に火をつけたって何の意味もないですから(笑)」とスカッと返されて実にがっかりした。
撮る人と見る人との間で、光に対する認識は時々驚くほど隔たっているのだ。ただ、マジックタイムとかマジックアワーとか言う言葉がネットで流れているから、あと数年すれば道北でも気付く人が増えるだろうと思う。この意味では、名寄の国際雪像選手権の担当者はよくわかってらっしゃる(嬉)。

完全に暗くなってしまうと、周囲と隔絶されてそれだけが浮かび上がり、それはそれできれいかも知れないけれど、光が単調で写真としてはあまり魅力が無いものとなってしまう。雪まつりの魅力をよそに伝え、人が沢山来て欲しいと思うならぜひ御検討あれ。
今どきはブログのために写真を撮る人も多いのだから、その存在をもっと利用するべし。

うるさい事はここでおしまい。
雪像に積もった雪は強力なブロワーで吹き飛ばしてしまう。これも乾いた雪が降るこの土地ならではの手法。
この折り鶴は確かロシアの作品。その向こうはドイツ。