今日の暑寒別岳

しばらく前から休憩しても心拍が全然下がらない事に気がついていた。
午後の日ざしは容赦なく頭に照りつけ、少しでも歩を緩めればブヨがわんわんとたかってくる。そうしていくつかの辛い急勾配を乗り越えた先に見えた山頂へ至る道のあまりの長さに心はポキッと折れて「もういいや、ここで止めよう」とザックをおろしてしまった。

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その日、道内は30℃を越すところが多く、この暑寒別ルートでも熱中症で倒れてドクターヘリで救助される人が出たほどだった。

その倒れた人に水をわけたので、夕日をしばらく眺めた後で確認した水の量は心もとなく、むしろここで進むのを止めて大正解だった事に気がついた。今晩の食事と明朝のコーヒー1杯を飲んだら下山のための水としてはギリギリな状態だったから。

暑寒ルート途中の「滝見台」から少し進んだところの岩場にてビバーク