今日の空が青くなり出したくらいの夜中の話


寮の部屋で過ごしていたら、左の肩に何か黒いものがあるように感じたので「?」とつまんでみた。


それはつややかな長い髪の毛の束で、見回すと部屋のあちこちに塊になって落ちているのだ。
「ただならぬことが起こっている」
「この部屋には何か自分以外のものがいる」
「部屋から出ないと大変なことになる」
という「気持ち」が同時に浮かび、立ち上がったところへ背中に何かがしがみついてくるような感触がしたのであわてて部屋を飛び出したのだ。


部屋を飛び出すとそこは緑色の塩ビタイルを貼った学校の廊下で、俺は一目散に駆けていってトイレに入った。だが、小便をする場所が無い。ここは確かにトイレなのに便器がどこにも無いのだ。困って河原君に小便はどこですればいいのか聞いたが、彼が指さす「それ」はただの板張りの廊下・・・立っている場所すらいつのまにか本当に廊下になってしまい、向こうから人がやってくる。俺は(僕は)強い尿意に困り果てて、誰もいない教室(たぶん理科室)に入り、板張りの部屋の角めがけて小便を出そうとするのだが、罪悪感で出てきやしない。どうしたらいいんだろう?(何か変だな?)僕は(俺は)どうしたらいいんだろう?(ここはどこだ?)ここでおしっこをしたいのに!(もれてしまう?)もれてしまう・・・


というあたりでだいたい「むっくり」と起き上がってトイレへ向かうね。俺は。
あなたは夜中に尿意で起きるとき、どんな夢を見ますか?