留萠本線のどん詰まり「増毛駅」 運転手だけを乗せて汽車が出て行こうとする夕暮れ時。 |
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酒蔵としての創業は明治15年(1882!)。 |
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蔵内は入り口から作業場までが販売カウンターと、ちょっとした博物館に仕立て上げられていて、そういうのが好きな人種にはたまらない。 昔の電気配線をそのまま利用し、雰囲気を壊さないような照明を配置するなど、演出が注意深い。 木造の家など北海道にはおよそ不向きで、変えようと思えばいくらでも改装できたはずなのにそれをやらなかったのは、「古くから続いている」ということが何よりもステイタスとなるのだと経営者の代々が理解していたから。 |
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もちろん最初っからこの建物ができていたわけではないだろうが、これ以上変えてはいけないという抑制がどこかで働いたとして、それを永きにわたって守り続けるというのは簡単ではない。 | |
琺瑯タンクが手に入り、山田錦も簡単に手に入る。そんな時代になっても国稀の味を守り続けるというのは逆にとてつもなく難しいことではないだろうか?何しろ今じゃ果物のようなフルーティーな香りのする酒なんてどこの蔵でも造れてしまうのだ。 |
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いやもちろん、国稀でも山田錦で吟醸酒を造ってんだけどね。 いかん、しゃっちょこばってこんな話をし出したから吟醸も飲まなければならなくなった。今飲んでいるのは北海道産酒造好適米「吟風」で造った純米「暑寒しずく」。増毛まで行かないと手に入らない地域限定酒。飲みたくば増毛に行こう。蔵の中も見学の楽しみのために全部は紹介しないでおいたぞ。 |
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