? 今日の魚


「ベタ」という熱帯魚をご存知だろうか?ちょっとぐぐればわかる事だが、「闘魚」としても知られ、宝石のように美しい魚だ。日本でも美しさを競うコンテストのために飼育している人が多い。繁殖させて生まれた稚魚の中から特に形の良いものだけを選んで大切に育てるわけだが、何しろ魚だから大量の子供ができる。はねられた魚はどうするか?というと「飼育練習用」にと容器代と運送料だけでサイトを訪れた人に無料でわけてしまう人もいるくらいだから、熱帯魚専門店にまわされるベタの卸値もコンテスト用でなければおそらくタダ同然だろう。ベタのオスは闘魚と呼ばれるくらいだから闘争心が強く、1水槽に1匹飼いが条件だ。安く売られているベタの値段は1匹飼いにかかる手間代とえさ代、それと容器代で構成されていると思われる。


ところで士別には「ホームセンター」がある。


・・・・・ベタが売っているのである。「ホームセンター」に。金魚ならともかくベタが売っている「ホームセンター」というのは「ちょっと珍しいホームセンター」と言える・・・かも知れない。
一匹ずつ、中サイズのアオハタジャムくらいの大きさの容器にいれ、通気性のある蓋に例のペリペリッと破いて開く封をして、陳列してある。容器に入っている様子は、どうかすると金魚より手軽にヒョイと持ち帰られる印象がある。そこら辺がこの「ホームセンター」で扱う理由だろう。

ベタはちょっと特殊な魚で、水中の酸素が無くなっても水面でぱくぱくすれば酸素を取り込む事ができる。だからそんな容器に入れておいても通気性さえあるならオッケーだったりする。
そうはいってもだ。餌を喰わずにそう何日も生きているわけが無い。
「商品だから封を切るわけにいかない。」
そんなつもりなんだろうが中に入っているのは「生き物」である。餌をやらなければ死んでしまうわけだ。仕入れ値が容器代だけだとしてもこの扱いは非道だ。
この場合、蓋は輸送の際にこぼれないようにするためだけに存在すると判断すべきであるが、この「ホームセンター」では蓋(封)をしたままだから、当然餌はやっていない。「ホームセンター」を訪れるたびに弱ってきて、しまいにはひっくり返って弱々しく息をするだけになっているのを見せつけられるんである。「ホームセンター」内の入り口にあるから嫌でも目に入るんである。5、6個蓉器があってそのどれもにひっくり返って餓死寸前のベタが入っているんである。魚にはたいして興味の湧かない俺でもこれはかなり気にかかる。

生き物で商売する以上死んでしまったらごみとするのは当たり前なんだろうが餌もやらずに死ぬに任せるというのは、祭りで金魚やみどり亀を売っているおっちゃんよりひどいのではないだろうか??それとも弱っている生き物を見ると保護せずにいられない人種がいるのを当て込んだ商法なんだろうか??
もしくは魚ごときで気分を悪くする俺が神経質なんだろうか?

今日の後日(2005/06/02)

本日、件の「ホームセンター」にてベタの待遇が改善されているのを確認。誰か抗議とかしたんかね?ちゃんとフタを開けて餌をやっている模様。