「美瑛の丘」はどこも美しいのだけど、要するに手垢にまみれているので、久しく行っていなかった。それが急に行く気になったのは『観光客が勝手に農地に入り込むので業を煮やした農家(哲学の木の持ち主)が木の幹に×印をでかでかと描いた』という話を聞いたから…
今年に入って、富良野の麓郷にある「メルヘンの木」も同じ理由で切られたと聞いたし、先日はまたさらに考え込むような話を紹介されたので、自身の反省も含めてこれについてどうするべきか考えたい。
畑に入ってはいけない理由
畑に入ってはいけない最も当たり前な理由は、そこが人の土地だから。これだけでも勝手に足を踏み入れてはいけない理由として充分なのだけど…畑に入ってはいけない最も重要な理由はこちら。リンク先を最後まで読んで欲しい。http://biei-oka.net/?cat=4シスト線虫は農家がこれ以上拡散しないようにとても神経を尖らせている害虫で、それが車のタイヤや一般人の靴裏、カメラマンの三脚に付着したよその土地の土から最も侵入しやすいと知れば、うかつに足を土に降ろす気にはならないと思う。
哲学の木は本当は切られるところだったそうだ。
畑にはロープやテープが張られ、「農地に入らないで下さい」が各国語で書かれ「農作業している人にカメラを向けないで下さい、写さないで下さい」と立て看板が置かれていて、地主の怒りがにじみ出ていた。アイドルで話題になったらしい「5本の木」も深刻な話になっている。http://blog.f-la.info/visit/fumini/1415.html
- 「耕していない畑だから大丈夫だろう」
- 「畑地だけど角の作物が植わっていない部分なら大丈夫だろう」
- 「あぜだから大丈夫だろう」
- 「道路じゃないけど車が通った跡があるから大丈夫だろう」
- 「ロープが張ってあるけど三脚の足がちょっと入るくらいいいよね」
地主の許しを得ていないなら全部ダメだと認識しよう。
ここでは観光客のことは脇へ置いておく。おそらくどちらも同程度に踏み込んでいるだろうし、あぜや畑の端の作物がまばらな部分が画角に入るのを嫌って農地に踏み込みがちなのは自分たちカメラマンのほうだ。
これから風景を撮る人に、アドバイスしておきたい。
「アスファルトから先へ踏み込まない」「脚立を必ず積もう」
どうせ車で移動する人がほとんどだろう。脚立を積むぐらいどうということはない。
目線が高くなると一歩踏み込むのと同じ効果がある。踏み台程度の小さな脚立でもかなりの効果がある。もちろん周囲の通行の邪魔になってはいけない。畑に限らず、色んな場所で活躍してくれる。